おばあちゃんの七面鳥

「なぜ七面鳥を焼くときに頭と尻尾を切るのか?」

あるアメリカ人家庭の七面鳥料理の話です。

その家の娘は、「わが家の七面鳥料理のレシピでは、尻尾と頭はちょん切ってオーブンに入れる」と親に教えられていました。しかし、娘は疑問に感じたのです。どうして尻尾と頭をちょん切って入れるのか、と。

 娘はお母さんに尋ねました。すると、お母さんは言いました。

「私にはわからないわ。あなたのおばあちゃんにそう教わったから、そうしているだけよ」

 そこで娘は、おばあちゃんのところに聞きに行くことにしました。おばあちゃんは言いました。

「よくわからないわね。おそらくそうしたほうが、七面鳥の中に詰めた野菜やら何やらから出たガスがうまく抜けて、おいしくなるんじゃないのかしら」

 娘はなるほど、と思いました。ガスがよく抜けるなんて、面白い。これは誰が考えたのかと聞くと、ひいおばあちゃんだと言う。そこで娘は、ひいおばあちゃんにも聞きに行きました。ひいおばあちゃんは言いました。

「違うのよ。昔はわが家のオーブンは小さかったから、七面鳥が丸ごとオーブンに入らなかったの。だから、頭と尻尾を切ったのよ。オーブンに入るなら、切る必要なんかないわよ」

出典:トヨタの自工程完結 佐々木眞一著 ダイヤモンド社刊

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