製造業にとってはまさに品質は製品の品質、そう考える人も多いでしょう。
しかしお客様(製品を購入されてお使いになるユーザー)は本当に製品の品質が良ければそれで満足されるのでしょうか?
私は長年メーカーの品質問題を扱う部署で仕事をしていて、「製品の品質が良い」というお客様からの評価は決して物の出来栄えだけでいただけるわけではないこと、仮に些細な出来栄えの問題があったとしてもその問題に対する対応の品質が高ければお客様の品質全体に対する印象は大きく変わり、製品品質の評価までもが上がってくることを経験してきました。
もちろん製品の品質が完璧であるに越したことはありません。しかし、大量に販売すればするほどすべてのお客様の期待に応える「完璧」などありえないのです。自社の商品(製品ではなく)が完璧ではない(かもしれない)ことを知って商売するのと、完璧だと固く信じて商売するのではいざという時の対応が違ってくるのではないでしょうか。